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2014年10月16日

簿記講座~決算手続き④

こんな工場を建てたら?
簿記講座~決算手続き④



決算手続きの重要なものとして、今回は固定資産
おさえておきましょう。

写真のような工場を建てるとおそらく何千万円、何億円もの
お金が出て行くことになりますが、工場が完成したその年に
全額費用として計上できるのでしょうか?

答えはNOですよね。

なぜなら、この工場は1年ですぐ使えなくなるわけでなく、
何年、十何年あるいは何十年と使って製品を生み出して
いくんですものね。

簿記会計の世界では、工場は毎年少しずつ価値が下がっていくと考えます。
その価値の下がる分を費用として計上するのが、減価償却です。

減価償却費の計算方法は
(取得原価 - 残存価額) ÷ 耐用年数 =減価償却費
でしたね。

例えば、 
     取得原価 1,000万円
     残存価額 取得原価の10%
     耐用年数 5年
という場合は、

(1,000万円 - 1,000万円 × 0.1) ÷ 5 = 180万円(減価償却費
つまり、
      1,000万円 × 0.9          ÷ 5 = 180万円(減価償却費
となります。

仕訳は、
 減価償却費 180万 /  減価償却累計額 180万 (間接法)
  (費用勘定)
でしたね。





ところで、この建物を2年後に500万円で売った場合、
どんな仕訳になるんでしょうか?
(代金は当座預金に入金)

ケース1)
  会計期間  1月1日~12月31日
  建物購入  平成24年1月1日
  建物売却  平成26年1月1日(期首)

この場合、平成26年1月1日の時点で減価償却を2年分行っているので
減価償却累計額は360万になっています。
したがって、

  減価償却累計額 360万  /  建物  1,000万
  当 座 預 金   500万  /

というところまではOKですよね。

あとは、貸借の差額で固定資産を売却したことによって
140万円の損が出たことがわかります。
したがって、最終的に仕訳は、

  減価償却累計額  360万   /  建物  1,000万
  当 座 預 金    500万   /
  固定資産売却損 140万  /
   (費用勘定)

となりますよね。




ケース2)
  会計期間  1月1日~12月31日
  建物購入  平成24年 1月 1日
  建物売却  平成26年10月31日(期中)

この場合も、平成26年1月1日の時点で減価償却を2年分行っているので
減価償却累計額は360万になっています。
したがって、

  減価償却累計額 360万  /  建物  1,000万
  当 座 預 金   500万  /

というところまではケース1と同じですね。


ただし、ここからちょっと違います。
平成26年1月1日から10月31日までの減価償却費を計上
しなければなりません。

減価償却費の計算は、
1,000万 × 0.9 ÷ 5 × 10/12 = 150万(減価償却費)
となります。
ここで注目は 10/12 というところ。
これは今回は1月1日から10月31日の10ヶ月分を計算するので
1年分の数字を12月で割って10月を掛けている訳です。
したがって、

  減価償却累計額 360万  /  建物  1,000万
  当 座 預 金   500万  /
  減価償却費   150万  /
   (費用勘定)


あとは、貸借の差額で固定資産を売却したことによって
10万円の益(もうけ)が出たことがわかります。
したがって、最終的に仕訳は、

  減価償却累計額 360万  /  建  物       1,000万
  当 座 預 金   500万  /  固定資産売却益    10万
  減価償却費   150万  /   (収益勘定)
   (費用勘定)

となります。

いかがでしたか?
ちょっと長くなりましたが、
しっかり復習しておいてくださいね。




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この記事へのコメント
勉強になりますね
Posted by yasukawayasukawa at 2014年10月17日 00:56
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