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2009年10月17日

やさしい簿記講座~決算手続きのポイント

「大変!今月は決算だ!」の図
やさしい簿記講座~決算手続きのポイント



先日の”やさしい簿記講座”では決算手続きをやりましたが、
その中でも、重要なものとして

 ・貸倒れ
 ・固定資産

について、もう一度おさえておきましょう。

まずは、貸倒れです。
貸倒れについては、3年もののストーリーでおさえておきましょう。


1年目・・・貸倒引当金の設定

決算を迎えて、売掛金の内容を確認していたら
「このうちこれくらいはもしかしてもらえないかも
というものが出てきました。
そこでそのもらえないかもの部分を貸倒引当金として設定
することにします。(設定金額:500円)

ここで、ひとつ注意すべきことがありました。
すでに設定されている貸倒引当金がいくらあるか
でしたね。

例えば、いま100円しか貸倒引当金の残高がなければ
足りない400円を追加で設定しましたね。(差額補充法)
したがって、仕訳は
 
 貸倒引当金繰入 400 / 貸倒引当金 400
 (費用勘定) 

逆に、いまの残高が600円ある場合はどうでしょう。
この場合は、貸倒引当金を100円減らしましたよね。
仕訳は、

 貸倒引当金 100 / 貸倒引当金戻入 100
                (収益勘定)

となりましたね。
どちらも結局、貸倒引当金の残高が500円になることを確認しておきましょう。




次に、2年目・・・実際に貸倒れ発生

次の年に「やっぱり得意先が倒産してもらえないことが確定」!
という状況になってしまった。
この場合、もらえなくなった売掛金について

 ・いつ発生した売掛金なのか
 ・もらえなかった金額と引当金を設定した金額のどっちが多いのか

によって、仕訳が違ってきましたよね。

もし前期(1年目)に発生した売掛金だったら・・・

 (貸倒金額200<貸倒引当金残高500)の場合は、

  貸倒引当金 200 / 売掛金 200
 

でしたね。

ところが、(貸倒金額600>貸倒引当金500)の場合はどうでしょう?

  貸倒引当金 500   / 売掛金 600
  貸倒損失   100  /
  (費用勘定)

ですね。

つまりもらえなかった600円のうち500円はもらえないことを予測して
貸倒引当金を設定していたので、貸倒引当金500を充当する(減らす)。
あとの100円は、予測できず貸倒引当金を設定してなかったので
貸倒損失(費用勘定)を計上する。
ってことでしたね。


もし当期(2年目)に発生した売掛金がもらえなかった場合は・・・
 当期に発生した売掛金については、当然1年目の決算の時には
 なかったものなので、貸倒引当金は設定されていません。
 したがって、仕訳は

 貸倒損失 600 / 貸倒引当金 600
 (費用勘定)

というように、全額、貸倒損失を計上するわけです。




そして、3年目・・・前年に貸倒処理をした売掛金がもらえた
この場合はすでに2年目に、

 ・設定した貸倒引当金を(充当する)減らす
 ・貸倒損失を計上する

のいずれかの仕訳をして、完全に処理が終わってしまっています。
つまり、売掛金勘定も貸倒引当金勘定もつじつまが合っている状態です。
したがって、単純に3年目のラッキー!ってことで

 現金 200 / 償却債権取立益 200
             (収益勘定)
とします。
この勘定科目、一見長くて覚えにくそうですが、

 ・償却 = 貸倒れ処理をしてしまった
 ・債権 = 売掛金
 ・取立 = もらえた
 ・   = もうけた!(ラッキー)

と分解してみれば、覚えられそうじゃありませんか?

ということで、貸倒れについてはこのように
3年もののストーリーでおさえておきましょう!

もうひとつの重要なテーマ減価償却については、
次回に。








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