2009年10月17日
やさしい簿記講座~決算手続き(2)
こんな工場を建てたら?
決算手続きの重要なものとして、今回は固定資産を
おさえておきましょう。
写真のような工場を建てるとおそらく何千万円、何億円もの
お金が出て行くことになりますが、工場が完成したその年に
全額費用として計上できるのでしょうか?
答えはNOですよね。
なぜなら、この工場は1年ですぐ使えなくなるわけでなく、
何年、十何年あるいは何十年と使って製品を生み出して
いくんですものね。
決算手続きの重要なものとして、今回は固定資産を
おさえておきましょう。
写真のような工場を建てるとおそらく何千万円、何億円もの
お金が出て行くことになりますが、工場が完成したその年に
全額費用として計上できるのでしょうか?
答えはNOですよね。
なぜなら、この工場は1年ですぐ使えなくなるわけでなく、
何年、十何年あるいは何十年と使って製品を生み出して
いくんですものね。
簿記会計の世界では、工場は毎年少しずつ価値が下がっていくと考えます。
その価値の下がる分を費用として計上するのが、減価償却です。
減価償却費の計算方法は
(取得原価 - 残存価額) ÷ 耐用年数 =減価償却費
でしたね。
例えば、
取得原価 1,000万円
残存価額 取得原価の10%
耐用年数 5年
という場合は、
(1,000万円 - 1,000万円 × 0.1) ÷ 5 = 180万円(減価償却費)
つまり、
1,000万円 × 0.9 ÷ 5 = 180万円(減価償却費)
となります。
仕訳は、
減価償却費 180万 / 減価償却累計額 180万 (間接控除法)
(費用勘定)
でしたね。
ところで、この建物を2年後に500万円で売った場合、
どんな仕訳になるんでしょうか?
(代金は当座預金に入金)
ケース1)
会計期間 1月1日~12月31日
建物購入 平成20年1月1日
建物売却 平成22年1月1日(期首)
この場合、平成22年1月1日の時点で減価償却を2年分行っているので
減価償却累計額は360万になっています。
したがって、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
というところまではOKですよね。
あとは、貸借の差額で固定資産を売却したことによって
140万円の損が出たことがわかります。
したがって、最終的に仕訳は、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
固定資産売却損 140万 /
(費用勘定)
となりますよね。
ケース2)
会計期間 1月1日~12月31日
建物購入 平成20年 1月 1日
建物売却 平成22年10月31日(期中)
この場合も、平成22年1月1日の時点で減価償却を2年分行っているので
減価償却累計額は360万になっています。
したがって、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
というところまではケース1と同じですね。
ただし、ここからちょっと違います。
平成22年1月1日から10月31日までの減価償却費を計上
しなければなりません。
減価償却費の計算は、
1,000万 × 0.9 ÷ 5 × 10/12 = 150万(減価償却費)
となります。
ここで注目は 10/12 というところ。
これは今回は1月1日から10月31日の10ヶ月分を計算するので
1年分の数字を12月で割って10月を掛けている訳です。
したがって、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
減価償却費 150万 /
(費用勘定)
あとは、貸借の差額で固定資産を売却したことによって
10万円の益(もうけ)が出たことがわかります。
したがって、最終的に仕訳は、
減価償却累計額 360万 / 建 物 1,000万
当 座 預 金 500万 / 固定資産売却益 10万
減価償却費 150万 / (収益勘定)
(費用勘定)
となります。
いかがでしたか?
ちょっと長くなりましたが、
しっかり復習しておいてくださいね。
その価値の下がる分を費用として計上するのが、減価償却です。
減価償却費の計算方法は
(取得原価 - 残存価額) ÷ 耐用年数 =減価償却費
でしたね。
例えば、
取得原価 1,000万円
残存価額 取得原価の10%
耐用年数 5年
という場合は、
(1,000万円 - 1,000万円 × 0.1) ÷ 5 = 180万円(減価償却費)
つまり、
1,000万円 × 0.9 ÷ 5 = 180万円(減価償却費)
となります。
仕訳は、
減価償却費 180万 / 減価償却累計額 180万 (間接控除法)
(費用勘定)
でしたね。
ところで、この建物を2年後に500万円で売った場合、
どんな仕訳になるんでしょうか?
(代金は当座預金に入金)
ケース1)
会計期間 1月1日~12月31日
建物購入 平成20年1月1日
建物売却 平成22年1月1日(期首)
この場合、平成22年1月1日の時点で減価償却を2年分行っているので
減価償却累計額は360万になっています。
したがって、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
というところまではOKですよね。
あとは、貸借の差額で固定資産を売却したことによって
140万円の損が出たことがわかります。
したがって、最終的に仕訳は、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
固定資産売却損 140万 /
(費用勘定)
となりますよね。
ケース2)
会計期間 1月1日~12月31日
建物購入 平成20年 1月 1日
建物売却 平成22年10月31日(期中)
この場合も、平成22年1月1日の時点で減価償却を2年分行っているので
減価償却累計額は360万になっています。
したがって、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
というところまではケース1と同じですね。
ただし、ここからちょっと違います。
平成22年1月1日から10月31日までの減価償却費を計上
しなければなりません。
減価償却費の計算は、
1,000万 × 0.9 ÷ 5 × 10/12 = 150万(減価償却費)
となります。
ここで注目は 10/12 というところ。
これは今回は1月1日から10月31日の10ヶ月分を計算するので
1年分の数字を12月で割って10月を掛けている訳です。
したがって、
減価償却累計額 360万 / 建物 1,000万
当 座 預 金 500万 /
減価償却費 150万 /
(費用勘定)
あとは、貸借の差額で固定資産を売却したことによって
10万円の益(もうけ)が出たことがわかります。
したがって、最終的に仕訳は、
減価償却累計額 360万 / 建 物 1,000万
当 座 預 金 500万 / 固定資産売却益 10万
減価償却費 150万 / (収益勘定)
(費用勘定)
となります。
いかがでしたか?
ちょっと長くなりましたが、
しっかり復習しておいてくださいね。
Posted by summerf at 20:08│Comments(0)
│簿記・会計