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2009年10月24日

やさしい簿記講座~売上原価(3)

売上原価の最終回です。
今回は分記法をやります。

分記法は、商品売買を

 ・商品勘定
 ・商品売買益勘定

2つの勘定を使って処理する方法です。

実際に事例を使って見ていきましょう。

(事例)
 リンゴ 仕入値 1個100円、  売値 1個150円
 ・期首 商品  100円(リンゴ1個
 ・期中 仕入高 500円(リンゴ5個
      売上高 600円(リンゴ4個
 ・期末  商品  200円(リンゴ2個




①期首
やさしい簿記講座~売上原価(3)




前期に売れ残ったリンゴ1個(100円)が商品勘定に
計上されています。






②期中 仕入れた時
やさしい簿記講座~売上原価(3)









掛けで仕入れた時の仕訳は
  商  品 500  /  買掛金 500
となります。

したがって、この時点の商品勘定の金額
期首の100円と期中の500円を足して
600円となります。




③期中 売り上げた時
やさしい簿記講座~売上原価(3)


掛けで売り上げた時の仕訳は、
 売掛金 600 /  商   品    400
              商品売買益   200
となります。

(1)リンゴを4個売ったので、仕入れ値で考えると
  商品は400円減った訳です。

(2)売上の方は、売値の単価が150円ですから
   600円計上ということになります。
   したがって売掛金は600円計上します。

(3)商品売買益は、
  400円のものを600円で売った訳ですから
  200円となります。

この時点で、
 商品勘定・・・・・期末商品の残高 200円
 商品売買益勘定・・・今期の商品を売上げたことによる利益 200円 
ということになり、つじつまが合っていますね。






お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、
この分記法を使った場合、売上原価の算定のための
決算手続きは不要なんです。
なぜなら、期中取引の仕訳をきるだけで
 ・商品の期末残高・・・・商品勘定の残高
 ・商品の売上総利益・・・商品売買益勘定の残高
が確定してしまうので。
その点が三分法と大きく違うところです。

いかがでしょうか?分記法。
今までは本番の試験でそんなに出ていないみたいですが
念のため抑えておきましょう。

それではしっかり復習をお願いします。

※受講生の方へ
 売上原価の算定方法のうち、
 三分法(売上原価勘定で算定する方法)と分記法は
 第8回目以降の講義で学習しますが、
 余力がある方はこのブログを使って
 予習してみてください。



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